テーマ概要・1

タイトル:『1980年代から90年代の日本における郊外化とその変容』


  • テーマに興味を持った理由
    • その1(テーマ報告レジュメでの理由1に相当・身近な存在としての郊外)

地方都市の郊外で育ち、大都市の郊外住宅地と郊外都市の駅前商店街に両親の実家があり、現在は幹線道路沿いのいわゆるロードサイド型商業施設が立地するような環境に暮らす、というように、自らの人生の大部分を郊外*1で過ごしてきたため。

    • その2(テーマ報告レジュメでの理由2に相当・衰退地域に対する関心)

こうした郊外についての文献は数多くあるが、今まで触れた文献の多くはその定義があいまいであり、一方で郊外化が進んでいきながら、他方で郊外が消えていくとでもいえるような現象が起こっている現代を正確に捉えられていないのではないかと感じたため。



  • テーマの社会的・学問的意義

郊外化を推し進めている(いた)のは一体誰なのか(誰だったのか)、そして郊外で今起きている問題はいつの、どのような要因が影響しているのかということを調査し、人口減少社会における郊外のあるべき姿、そして郊外における商業立地、都市計画、住宅供給のあり方を探っていくことは、いまや全国どこにでもあり、多くの人が暮らす場であることを鑑みて非常に重要であると考える。


  • テーマ概要(仮)

戦後の経済発展と都市への人口集中により、大都市郊外にはより広い、豊かな居住空間を求めて多くの人々が移り住み、郊外住宅地が形成されていった。これに付随して商業施設や公共施設も郊外への立地が進み、さらに公共交通機関が未整備であった地域ではモータリゼーションの進展とともに特に幹線道路沿いにおける商業施設が年々増加していっている。こうした現象は大都市のみならず地方都市においても見られ、地方都市においては郊外化の進展とともに旧来の中心市街地の衰退が叫ばれるようになってきている。一方で郊外においても新たに発展していく地域のみならず人口が減少しているような地域も存在し、今日の日本において、郊外とは複数の地域を指す言葉であるといえる。
本論では郊外を大都市近郊のいわゆるベッドタウンといわれるような地域、その一形態であるニュータウン、そして地方都市近郊の住宅地や幹線道路沿いの商業集積、というように立地と形成過程によっていくつかに分類し、それぞれが抱えている問題とその萌芽を調査・研究していく。

*1:ここでは意識的に全て郊外という言葉で括っています